「中小企業診断士の試験って何歳から受けられるのかな?」
「50代でも問題ない?」
中小企業診断士の資格取得を目指す上で、このような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
中小企業診断士の試験に年齢制限は定められていないため、誰でも資格取得を目指せます。
そうはいっても、若い世代や、反対に中高年には、受験する際の年齢を気にする方も少なくありません。
そこでこの記事では、中小企業診断士の受験に適切な年齢や年代別メリットについて紹介します。
この記事を読むことで、中小企業診断士についての次ことが理解できます。
- 中小企業診断士の受験資格
- 中小企業診断士の年齢別の合格者数
- 中小企業診断士の受験に適切な年齢
- 中小企業診断士の資格を取得する年代別のメリット
これらの内容を把握し、受験の適切な時期や年代別のそれぞれのメリットを見極めましょう。
中小企業診断士の受験資格や年齢制限
中小企業診断士の試験に受験資格は一切定められおりません。
年齢制限もないため誰でも受験できます。
会社でのコンサルティングや大学の履修など、実務経験がなければ取得できないのではないかと疑問に思う方もいらっしゃいますが、これらの経験も受験に必要ありません。
ただし、試験は一次試験と二次試験で構成されており、二次試験を受験するには一次試験の合格が必要です。
また、一次試験の合格には有効期間が定められています。
合格有効期間は合格した年度を含めて二年間ですが、特例措置として平成12年度以前の一次試験の合格者は一度に限り二次試験を受験できます。
中小企業診断士試験の免除は?
中小企業診断士の一次試験には、「中小企業診断士第1次試験他資格等保有による科目免除」が定められています。
科目免除の対象者は次をご覧ください。
- 大学等の経済学の教授、准教授・旧助教授(通算3年以上)
- 経済学博士
- 公認会計士試験または旧公認会計士試験第2次試験において 経済学を受験して合格した者
- 不動産鑑定士、不動産鑑定士試験合格者、不動産鑑定士補、 旧不動産鑑定士試験第2次試験合格者
- 公認会計士、公認会計士試験合格者、会計士補、会計士補とな る有資格者
- 税理士、税理士試験合格者、税理 士試験免除者
- 弁護士、司法試験合格者、旧司法試験第2次試験合格者
- 技術士(情報工学部門登録者に限る)、情報工学部門に係る技 術士となる資格を有する者
- 次の区分の情報処理技術者試験合格者 (ITストラテジスト、システムアーキテクト、応用情報技術 者、システムアナリスト、アプリケーションエンジニア、シス テム監査、プロジェクトマネージャ、ソフトウェア開発、第1 種、情報処理システム監査、特種)
これらに該当する方は、科目免除を受けられますので各証明書を準備して一次試験の申し込みの際に提出しましょう。
中小企業診断士試験の合格者に多い年齢
中小企業診断士の一次試験と二次試験においての合格者数は、これまで、30代がもっとも多くを占めている傾向があり、その傾向は近年でも変わっておりません。
令和3年度における一次試験と二次試験の申込者数と試験合格者数をまとめ、表記しましたのでご参照ください。
【一次試験】
申込者数 | 試験合格者数 | |
20歳未満 | 165 | 22 |
20〜29 | 3,851 | 889 |
30〜39 | 7,149 | 1,779 |
40〜49 | 7,111 | 1,674 |
50〜59 | 4,785 | 1,152 |
60〜69 | 1,290 | 306 |
70歳以上 | 144 | 17 |
合格 | 24,495 | 5,839 |
[出典:https://www.j-smeca.jp/attach/test/r03/r03_1ji_toukei.pdf]
【二次試験】
申込者数 | 試験合格者数 | |
20歳未満 | 15 | 2 |
20〜29 | 1,112 | 283 |
30〜39 | 2,756 | 687 |
40〜49 | 2,708 | 416 |
50〜59 | 1,983 | 193 |
60〜69 | 579 | 19 |
70歳以上 | 37 | 0 |
合格 | 9,190 | 1,600 |
[出典:https://www.j-smeca.jp/attach/test/r03/r3_2ji_toukei.pdf]
上記のデータにおいて、申込者数と合格者数とのどちらも30代が最も多く、次に40代が続きます。
30・40代が中小企業診断士の受験に適切な年齢?
試験の申込者数と合格者数が最も多かった30・40代がもっとも受験に適切な年齢というわけではありません。
中小企業診断士試験の難易度は高いため、できるだけ早く受験するに越したことはないからです。
難易度が高いとされる中小企業診断士の勉強には相当な時間を必要とします。
令和3年度の一次試験の合格者率は約24%、二次試験においては17%程度であることを踏まえると、受験に適切な年齢を気にせず、早めに勉強に取り掛かるべきでしょう。
中小企業診断士を取得するメリット|年代別
中小企業診断士は言わばコンサルティングのプロであり、資格取得によって得られるメリットは数多くあります。
この項目では、年代別のメリットについて紹介します。
20代 就職の評価に繋がる
20代で中小企業診断士の資格取得することにより、コンサルティング企業への就職に有利になります。
それに加え、経営や財務、IT、物流、店舗管理など、さまざまな職種で評価されるでしょう。
中小企業診断士資格を取得するには企業経営理論や財務会計、運営管理など幅広い知識が必要です。
そのため受験の勉強段階で多くの知識が身につきます。
勉強に必要な方法を模索することで、一般会社に勤めただけでは手に入らない業務遂行力や思考力を20代で得られるというのも一つのメリットでしょう。
30・40代 転職・キャリアアップにつながる
30・40代の方が中小企業診断士の資格取得を目指す理由には、主に、転職やキャリアアップが挙げられます。
中小企業診断士は多様な仕事に対応した資格であることから、入社からある程度経過し、余裕ができたタイミングで多くの方が受験されます。
資格取得後に企業内で知識やスキルを生かすことも、資格を生かして転職活動し、キャリアアップを図ることも可能です。
また、これまで培ってきた経験と取得した知識とスキルを活かせば、独立開業するのも可能でしょう。
経営コンサルタントや会計事務所・税理事務職への転職、一般企業診断士として働くことも可能です。
今後の仕事の幅も広がります。
50代〜 セカンドライフの支えになる
50代以降、中小企業診断士を取得することで、セカンドライフの支えになります。
多種多様な業界で役立つ中小企業診断士の資格は、50代以降も役立つ資格です。
例えば、これまで勤めてきた企業のコンサルティングや商工会議所・商工会・都道府県等中小企業支援センター、中小企業団体中央会など、公的機関に専門家登録して仕事ももらえます。
50代に入り定年を意識し始める頃、年金に加えて収入が得られる手段として中小企業診断士を取得するのはいかがでしょうか。
まとめ
この記事では、中小企業診断士の受験に適切な年齢と年代別取得メリットについて紹介しました。
中小企業診断士に受験資格や年齢制限はないため、受験には早く取り掛かるほど有利になります。
合格者は30・40代が中心ですが、どの年代の方が取得しても得られるメリットは数多くあり、今後の仕事の幅が広がることは間違いありません。
中小企業診断士の資格を取得することで、就職や転職、キャリアアップ、独立開業だけでなく、セカンドライフの仕事にも繋がるでしょう。