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中小企業診断士の学習は難しいけど面白い!科目ごとに紹介

「中小企業診断士の勉強モチベーションを高めたい」

「中小企業診断士試験の難しさを具体的に知りたい」

中小企業診断士試験はとても難易度が高く、一次・二次試験をストレートで合格する確率は4%ほどとなっております。合格に必要な学習時間も約1,000時間といわれており、1年以上の勉強期間を設けて試験に臨む方がほとんどです。

長期間、常に意識を高くして学習を続けるのは決して簡単ではありません。
モチベーション維持に悩む方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そんなモチベーション管理に悩んでいる方に向け、中小企業診断士試験の面白さを科目ごとに紹介します。

学習の面白さを実感できれば、モチベーションにくわえ学習効率の向上にもつながりますので、ぜひ最後までご覧ください。

 中小企業診断士の学習内容

中小企業診断士試験の出題範囲はとても広いです。

中小企業診断士試験の一次試験と二次試験に分かれており全部11科目あります。

一次試験は、中小企業診断士としての知識を持っていいるかが問われる試験となり、出題範囲は以下の7科目です。

  • 経済学・経済政策
  • 財務・会計
  • 企業経営理論
  • 運営管理
  • 経営法務
  • 経営情報システム
  • 中小企業経営・政策

一方、二次試験は記述式となっており、企業の現状や課題、データが事例として提示されるので、それに対し問題点や解決案を提示する試験内容です。

具体的な科目は以下の4つになります。

  • 【事例1】組織(人事を含む)を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例
  • 【事例2】マーケティング、流通を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例
  • 【事例3】生産、技術を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例
  • 【事例4】財務、会計を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例

上記からもわかるように、中小企業診断士の出題範囲は膨大で、内容も決して簡単ではありません。
しかし、科目によっては身近に感じられるものも多いです。

特に会社員であれば、得た知識を現在お勤めの会社にあてはめることも可能で、学習すればするほど会社をさまざまな目線で見ることができるようになります。


中小企業診断士は、学習すればするほど企業に対する視野が広がる資格です。
企業に対する視野が広がる感覚を楽しみ、高いモチベーションで学習に臨みましょう。

1次試験

ここでは、中小企業診断士一次試験における各科目の概要や面白さについて解説します。

経済学・経済政策

経済学は「マクロ経済」と「ミクロ経済」の2つに分けられます。

マクロ経済は国家規模の経済を分析するもので、ミクロ経済は反対に個々の企業や消費者について分析するものです。

マクロ経済では、国が実施している記入政策や財政政策がどのような効果をおよぼすのか、どのような時に効果的なのかという点などを勉強します。

一方、ミクロ経済では料理の「一口目と五口目の焼肉の美味しさについて」といった内容をグラフなどで真面目に分析します。

また、経済学では式やグラフなども多く用いられます。

経済学の面白さは、ニュースなどでよく聞く政策をより深く知ることができる点や、一見数値やグラフで表すことが不可能に思われる内容をグラフで表すことができるようになる点でしょう。

また式やグラフなどが使われる関係上、数学が好きな方も楽しんで学習可能です。

財務・会計

財務会計は「ファイナンス」と「アカウンティング」という2分野について学習します。

ファイナンスは企業における資金の調達や、資金の使い方などの内容で、アカウンティングでは企業の財務状況や利益計算の方法について学習します。

財務・会計を学習することにより、財務諸表の読み方や経営状況の分析が可能です。
また、株式の指標に用いられるPERやDOSとはどういうものなのかを具体的に知ることができます。

試験の勉強ということもあり、上記内容における理解進行度はビジネス本などをただ読むよりも圧倒的です。

その分、急速に企業に対する視野が広がるので、その点で面白く学習可能といえるでしょう。

企業経営理論

企業経営理論は、その名の通り企業を経営するための理論で、大きく以下の3つに分けられます。

  • 戦略論
  • 組織論
  • マーケティング論

戦力論では、SWOTや3Cといったフレームワークなどを学習します。
一言でいると「コンサルティング」と聞いて多くの方がイメージするような内容の勉強です。

多くの方がイメージする「経営コンサル」らしい勉強をするので、中小企業診断士を受験される多くの方にとってはは面白く学習できるのではないでしょうか。

組織論では、機能別や事業部制などの組織の形態についてや、モチベーション理論やリーダーシップ論、労働基準法などの人に関する内容を学習します。

現在、企業にお勤めの方にとってはとても実感を得やすい内容で、環境によっては所属企業の至らない点が見えてしまうかもしれません。

自分事としてとらえやすい分、面白く学習に臨むことができるでしょう。

マーケティング論では、商品をどのように売るのかということを学習します。

スーパーや飲食店においては、商品の位置や看板の高さなど多くの事柄に意味が存在します。
マーケティング論を学習することにより、普段なにげなく見ていた店の戦略や意図が見えてくるため、とても面白いです。

運営管理

運営管理では「生産管理」と「店舗・販売管理」について学習します。

生産管理は日本のモノづくりにおける基本的な内容を学習するのですが、ここで学習する内容は普段の勉強や仕事にも応用することが可能です。

一例として紹介しますと、生産管理の基本用語として「ECRSの原則」というものがあります。
生産を改善していく上での4つの基本的な考え方を表したものです。

具体的には以下の4つの考え方の頭文字を取ったものになります。

  • Eliminate(なくす)
  • Combine(くっつける)
  • Rearrange(交換する)
  • Simplify(単純化する)

この内容は「難しい上に主題頻度が少ない問題は捨てる(なくす)」「関連性の高いものは一緒に覚える(くっつける)」といったように勉強や仕事を効率的にする方法としても応用することが可能です。

多くのことに活用できる効率的な方法を学べると考えれば、面白く学習できる方も多いのではないでしょうか。

また、店舗・販売管理を学習することで、バーコードの意味を深く知ることができます。
普段、無数に見かけるバーコードの意味を知ることができる点も面白い科目といえるかもしれません。

経営法務

経営法務では、会社法や特許権、商標権といった知財関連の法律について学習します。
また、一部民法についても学習します。

知財関連の法律は、ビジネスをおこなってく上で避けては通れない法律です。
企業をコンサルする中小企業診断士になるためには必要不可欠な内容となっています。

経営情報システム

経営情報システムは、ITに関連する基本的な内容を学習する科目です。

ハードウエア・ソフトウエアについてやプログラム言語、経営情報管理などについて学習します。
専門用語も多く、IT関連の勉強をしたことがない方にとっては、苦労しやすい科目になります。

しかしながら、現在においてビジネスとITは切っても切れない関係です。
そのため、IT関連の知識は中小企業診断士には必須の知識であり、それ以外の仕事においても活用できる場面の多い内容といえるでしょう。

一方、ITパスポートや基本情報技術者などの資格を持つ方には、とても取り組みやすい科目といえるでしょう。

中小企業経営・政策

中小企業経営・政策は毎年4月にだされる「中小企業白書」から出題される科目です。

暗記がメインの科目となり、覚えることが多いため暗記が苦手な方にとっては大変な科目となるでしょう。
しかし、独立後にはとても活用する機会の多い科目でもあります。

中小企業診断士を取得後に、資格を活かして独立や副業を検討されている方は「この科目は後々大きく役に立つ」という点をモチベーションに学習に臨みましょう。

2次試験

ここでは、中小企業診断士二次試験における各科目の概要や面白さについて解説します。

事例1~3

中小企業診断士の二次試験は、書面でのコンサルティングともいえる試験内容です。

具体的な試験内容として、まず「与件文」という形で企業の現状や課題、データなどが提示されます。
提示された内容に対し、人事やマーケティングといった事例ごとのテーマに沿って、適切な提案を解答します。

このように、実際のコンサル業務をイメージしながら解答する試験となっているため、実務の予行練習と考えれば面白く取り組むことができるのではないでしょうか。

事例4

事例4も基本的には事例1~3と同じですが、1点だけ大きな違いがあります。
二次試験の中で唯一計算問題が出題される点です。

事例1~3においては、明確な解答というものはなく記述した内容によって採点されます。
そのため、明確な差がでにくいです。

一方、事例4には計算問題が含まれており、計算問題には明確な解答が存在します。
明確な解答が存在するということは、点数に差がでやすい箇所でもあり、計算問題の結果が二次試験の結果につながることも少なくありません。

「事例4をしっかり学習することが合格につながる」という点を強く意識して学習に臨みましょう。

中小企業診断士の中で一番面白い科目

中小企業診断士試験を受験する方の多くは、企業の経営やコンサルティング業務に興味を持っていると思われます。

そういった意味では、各科目の中で一番面白い科目は「企業経営理論」といえるでしょう。

先にも説明したように、企業経営理論では「コンサルティングらしい」内容を多く勉強します。
また、マーケティングやフレームワークといったビジネス書でよく見かける内容もあるため、取り組みやすさも他科目とくらべて高いです。

中小企業診断士の中で一番難しい科目

ここからは、中小企業診断士試験の難しい科目について解説します。

平成27年~令和元年における各科目ごとの合格率を見てみると「経営法務」が平均合格率が8.3%となっております。

他の科目がすべて10%以上の合格率、「経済学・経済政策」にいたっては平均合格率24.1%となっており、「経営法務」の約3倍の合格率です。

以上のことから科目ごとの難しさは「経営法務」が一番高いといえるでしょう。

参考:https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/001_shiken_kakokekka.html

「経営法務」が難関である理由

令和3年度における中小企業診断士一次試験受験者の「勤務先区分別人数」によると、全体の60%以上が「民間企業勤務」です。

民間企業において、経営法務に深く関わる業務をしている方は多くはありません。
そのため、受験者の中で経営法務に馴染みがない方が多い点が難易度を上げている要因の一つといえるでしょう。

くわえて、経営法務の出題範囲の広さも難易度を大きく引き上げています。

経営法務の出題範囲は「事業開始、会社設立及び倒産等に関する知識」「知的財産権に関する知識」「取引関係に関する法務知識」など起業から倒産までの膨大な量の法的知識が範囲となっています。

上記2つが大きな要因となり、経営法務の難易度が跳ね上がっているといえるでしょう。

その他の難関科目

「経営法務」以外にも難関といえる科目がいくつか存在します。

ここでは、経営法務以外の高難易度科目について解説します。

毎年内容が変わる「中小企業経営・中小企業政策」

経営法務の次に難しい科目が「中小企業経営・中小企業政策」です。

平成27年~令和元年の平均合格率は12.8%と10%を超えてはいますが、年度によっては10%を下回ることもあり、こちらも厳しい科目といえるでしょう。

「中小企業経営・中小企業政策」は覚える内容が多いです。
くわえて、毎年4月にだされる中小企業白書から出題されるため、毎年内容が更新される点も難しい要因になります。

しっかりとした理解が問われる「企業経営理論」

「企業経営理論」の5年間の平均合格率は16.4%で10%を下回る年度も2回ある難しい科目です。

面白い科目の項で「コンサルティングらしい内容」と説明しましたが、コンサルティングらしい内容だけに中小企業診断士にとっては土台となる科目でもあります。

そのため合格するには内容を深く理解する必要があり、比例して難易度も高くなっています。

経験がないと難しい「運営管理」

「運営管理」は5年間における平均合格率は16.8%となっており、こちらも難しい科目といえるでしょう。

この科目は「生産管理」と「店舗・販売管理」の2分野から成り立っています。
そのため一般企業や公的機関に属する方は、そういった分野に関わる機会も少ないため難易度が高くなっています。

自分にあった学習をしよう

中小企業診断士の試験は各科目ごとの難しさにもバラつきがあります。

しかし、自身の属する企業や今までの経験によっても科目ごとの難しさは大きく変わります。
そのため、効率的に学習するためには自分にとっての難しさを把握した上で学習計画をたてましょう。

最短で合格を目指したい場合は「中小企業診断士の勉強する科目の順番とは?独学でも効率の良い学習をすれば合格できる?」で効率的な勉強方法を解説していますのでご覧ください。

まとめ

中小企業診断士の各科目における面白さや難しさについて解説しました。

中小企業診断士試験は合格に約1,000時間もの勉強が必要といわれる資格です。
合格も全体で4%台と低く、科目ごとで見ても10%を下回る科目もあります。

上記のように、多くの勉強時間が必要なことにくわえ、非常に難しい資格といえるでしょう。
しかし、視点を変えればとても面白い科目も多く存在します。

今回、ご紹介した面白い点を参考にして、勉強のモチベーション維持に役立ててください。