独学で合格を目指す方必見!
【中小企業診断士のおすすめテキスト25選】

データから見る中小企業診断士の難易度ランキング|合格率・他の国家資格・学習時間など様々な観点で比較

本記事では、中小企業診断士の難易度について解説いたします。様々なデータから客観的に記載していきますので、これから中小企業診断士について学習しようか迷っている方は、ぜひご確認ください。

 【合格率から見る】中小企業診断士の難易度ランキング

中小企業診断士の合格率は以下の通りです。
本サイトにて独自で集計したストレート合格率では、5~10%の間を推移しており、非常に難易度の高い資格であることが分かります。ただし、2017年から2020年にかけては合格率が上昇傾向のため、今が試験の狙い時かもしれません。

中小企業診断士試験の合格率は低く難しい

中小企業診断士の合格率は5~10%と低く難しいことがお分かりいただけたかと思います。また、5~10%という数値は、各年度の合格者を全てストレート合格とみなした場合の合格率であるため、実際はもっと低いということになります。司法書士に合格することが難しいのは想像つくと思いますが、司法書士の合格率が5%程度と言われますので、中小企業診断士もとても難しいということがお分かりいただけるかと思います。

中小企業診断士試験の平均受験回数

株式会社東京リーガルマインドの調査によると、合格者の学習年数は以下の通りとのことです。

合格者の学習年数割合
1年以内27%
2年以内21%
3年以内21%
4年以内13%
4年以上15%

平均受験回数を割り出すことは難しいですが、1年以内で合格する方が一番多いことが分かります。1年で1回しか開催されない中小企業診断士ですが、1発合格は十分可能だということが分かっていただけるのではないでしょうか。

【一次試験の合格率から見る】中小企業診断士の難易度

一次試験の合格率は、15.7~51.3%と年度によって大きく合格率が異なります。しかし、近年のトレンドを見る限りは一次試験の合格率は30%前後と捉えると齟齬がないでしょう。2020年度は合格率が上がっていますが、コロナの影響が考えられます。中小企業診断士に限らず、2020年度の試験の合格率は上昇傾向にあります。コロナの感染リスクを考慮しても受験したいという本気な方だけが受験したためです。

経済学・経済政策の難易度

一次試験の科目「経済学・経済政策」の難易度ですが、合格率は以下の通りです。時折非常に難化する傾向にありますが、基本的には20%後半の合格率です。出題範囲はマクロ経済・ミクロ経済ですが、どちらも大変ロジカルな内容で、「理系的思考は苦手・・・」という方には難しい内容になっています。

経済学・経済政策の合格率推移

財務・会計の難易度

結論、毎年非常に難しい科目です。2015年には36.9%となっていますが、基本的には10%程度と年度によって容易になることが少ないです。そのため、しっかりとした対策が必要になります。中小企業診断士の中には、先に簿記2級程度の対策をみっちり行った後に、受験される方も多くいらっしゃいます。財務・会計は多くの人が難関とする科目ですので、しっかりと対策期間を設けたほうがよいでしょう。

財務・会計の合格率推移

企業経営理論の難易度

2016年度を除くと基本的には10%後半を推移しています。科目の中では、難易度が安定していると言ってよいでしょう。問題は暗記問題ではなく、学習で得た知識を使いながら思考することが求められます。社会人で管理職以上をご経験されている方や新規事業を立ち上げされたことある方は、実務と学習がリンクしやすいので学習しやすいです。

企業経営理論の合格率推移

運営管理の難易度

運営管理は合格率が20%を超える年度も多く、ほかの科目と比較するとやや易しい内容になっています。知識を問われる内容が多いですが、しっかりと知識を蓄えておけば、合格しやすいといってよいでしょう。生産から販売までの現場のオペレーションについて学びますので、有形商材を扱ってビジネスをされたことがある方は、特に理解がしやすい内容になっています。反対に、ITサービス、教育、保健などの無形商材での経験はあまり活きませんので、馴染みのない方は少し苦労が必要です。

運営管理の合格率推移

経営法務の難易度

結論、経営法務は非常に難しいです。ここ数年は10%以下の合格率であることからも、その難しさがうかがえます。近年は特に細かな知識問題の増加もあり、難化傾向にあるといわれています。一方で、出題の多い領域は決まっていますので、その領域を重点的に学習し、落としてはいけない問題を確実に説く必要があります。

経営法務の合格率推移

経営情報システムの難易度

経営情報システムは、年度によっては難しいこともありますが、比較的易しい科目だと思って良いでしょう。しかしながら、経営情報システムは得意不得意の別れやすい科目でもあります。ITが苦手だという方は、どの科目よりも難しいと思って良いでしょう。求められる知識は「ITパスポート以上基本情報技術者試験以下」といったところです。ITの知識が少しある方ですと、ITパスポートは楽勝だと思いますが、基本情報技術者試験となるとしっかりとした学習が必要です。それくらいが目安だということです。

経営情報システムの合格率推移

中小企業経営・政策の難易度

中小企業経営・政策は、比較的易しい傾向があります。暗記で賄える領域も多いためです。やっかいなのは、毎年出題範囲が変わるため、勉強しなおす必要があるということです。出題は毎年発行される「中小企業白書」「小規模企業白書」からされるため、毎年出題領域が変わってきます。

中小企業経営・中小企業政策の合格率推移

【二次試験の合格率から見る】中小企業診断士の難易度

まず、二次試験の合格率は約20%を推移しています。これは非常に難しいと言って良いでしょう。二次試験は、当然ながら1次試験を突破した人だけが受けることができます。すなわち基礎的な知識が十分あっても20%程度しか合格することができないと考えると二次試験の難しさを正確に捉えることができるでしょう。

どの科目にも共通するのは、解き方を習得できるかという点です。二次試験は記述式になっており、自身で文章を書く必要がありますが、問題は正解が想定されて作られているため、想定された正解にたどり着くための思考を習得する必要があります。この解き方を習得が難しいため、なかなか合格ができません。逆に、解き方が分かってくると合格もぐっと近づいていきます。

以下、科目別に特徴を見ていきます。

中小企業診断士の二次試験合格率

事例①組織・人事の特徴

事例①では、組織・人事の観点で企業を成長させていくための回答をしなくてはいけません。

問題によっては、様々なアプローチが考えられるため、回答にばらつきが非常に出やすい科目となっています。しかし、本科目はあくまで「組織・人事の観点」から回答をしなくてはいけません。また、このような掴みにくさから、設問の意図が非常につかみづらく、試験時間内は短く感じることでしょう。

事例②マーケティングの特徴

マーケティングは、一次試験の科目「企業経営理論」でも学習する領域です。マーケティングとは、売れる仕組みを作っていくことに等しいですが、販売や流通の視点から回答をしていく必要があります。

マーケティングは、中小企業診断士に挑戦するような人にとっては非常に馴染み深い科目であることから、設問の内容は理解がしやすいです。一方で、理解がイメージしやすいがあまり、設問に記載のない事柄までを回答に含めてしまうミスも多発します。そういった意味で、設問を読み解く力が非常に重要になります。

事例③生産・管理の特徴

生産・管理は、特に一次試験の知識が必要になるため、一次試験の科目「生産管理」でしっかりとした学習をしておく必要があります。この科目は出題パターンが決まっており、基礎知識の習得ができたら、とにかく多数の問題を解いて対策をしていくのが重要です。

設問項目内容
1問目強み・弱みの分析
2~4問目生産に関する課題と提案(解決策)
5問目今後の戦略・経営方針
事例③生産管理のよくある出題パターン

事例④財務・会計の特徴

他の科目とは、試験の毛色が異なり、計算問題が出題されます。

他の科目の場合は記述問題のため、回答への正誤に賛否が出る可能性もありますが、計算問題となると回答は数値なので、人によって回答が異なることはありません。すなわち、計算問題は確実に正解できるようにしておくべきでしょう。また、計算問題だけでなく他の科目同様記述問題も問われます。そのため、財務諸表を読み解き、経営を分析できるようになる力を身に着けておく必要があります。

【年代別】中小企業診断士の難易度

各年代の合格者の割合は以下の通りとなります。各年で一番大きい割合を占める年齢にマーカーを引いています。中小企業診断士は、約40歳が受験者の平均年齢と言われますが、30~39歳の年代が毎年一番大きな割合を占めることが分かります。

年代20152016201720182019
20歳未満0.03%0.12%0.10%0.12%0.16%
20~29歳13.98%16.01%14.91%13.57%12.15%
30~39歳35.46%37.35%33.03%32.76%31.53%
40~49歳30.62%28.83%29.46%31.74%30.99%
50~59歳16.32%14.56%17.87%17.61%19.60%
60~69歳3.39%3.08%4.41%3.96%5.13%
70歳以上0.20%0.04%0.23%0.25%0.45%
年齢別合格者数の割合

各年代の合格率は以下の通りです。年によって異なりますが、40~49歳および50~59歳の受験者の合格率が高いことが分かります。中小企業診断士は、幅広い知識を求められることから、ベテラン社会人が合格しやすいことが見て取れます。一方で、20歳未満の受験者も合格している方は毎年いますので、20歳未満だからといって諦めなければいけない試験であることも分かります。

年代20192018201720162015
20歳未満5.56%4.17%4.05%4.48%1.56%
20~29歳17.15%14.64%15.39%12.04%16.46%
30~39歳21.75%16.62%15.75%13.81%19.40%
40~49歳21.78%16.96%15.15%12.34%19.67%
50~59歳22.34%16.17%16.34%11.23%19.08%
60~69歳20.92%13.49%13.82%8.67%14.76%
70歳以上14.60%7.08%7.53%1.08%9.33%
年齢別合格率(一次試験)

【勤務先別】中小企業診断士の難易度

各勤務先別の合格率は次の通りです。年によって異なりますが、「税理士・公認会計士等自営業」および「政府系金融機関勤務」の受験者の合格率が高いことが分かります。中小企業診断士の難関科目の一つに「財務・会計」がありますが、業務で携わっている方は大きなアドバンテージがあると思ってよいでしょう。

勤務先20152016201720182019
経営コンサルタント自営業17.09%10.61%14.29%8.66%21.67%
税理士・公認会計士等自営業19.43%17.72%14.63%25.95%23.57%
上記以外の自営業19.44%11.25%15.72%14.48%20.23%
経営コンサルタント事業所等勤務17.08%10.57%10.92%13.41%17.86%
民間企業勤務20.22%13.26%16.04%16.59%21.80%
政府系金融機関勤務22.19%15.26%19.66%23.16%24.43%
政府系以外の金融機関勤務15.77%10.39%15.99%16.18%24.08%
中小企業支援機関9.40%6.15%9.67%10.16%15.32%
独立行政法人・公益法人等勤務21.95%11.89%12.08%15.75%22.71%
公務員21.07%13.78%19.34%17.06%24.05%
研究・教育22.73%7.69%13.48%12.07%16.81%
学生9.25%8.29%7.90%9.81%10.46%
その他(無職を含む)15.70%10.86%14.79%14.06%16.08%

受験生の大半が会社勤めの社会人

年齢別のデータおよび勤務先別のデータを見ると、受験生の大半は社会人であることが分かります。それだけ、社会人として価値の高い資格であるということです。一方で学生で中小企業診断士を持っていると新卒採用では一目置かれることは間違いありません。

 【勉強時間から見る】難易度ランキング

国家資格の中でも高難易度といわれる中小企業診断士の合格には、約1,000時間の勉強時間が必要といわれています。ほかの国家資格とくらべても多くの勉強が必要な資格といえるでしょう。

各科目ごとの学習時間についても記載していますので、詳しくは以下の記事をご確認ください。

【他の国家資格と比較して見る】中小企業診断士の難易度ランキング

【一覧】中小企業診断士と他の資格との比較(国家資格含む)

以下に、一般的にポピュラーな資格の中から、合格率順に表示しています。中小企業診断士の合格率は、一次試験だけで算出していますが、26位と非常に難易度が高いことが分かります。

No国家資格・公的資格・民間資格資格名受験者数合格率難易度
1司法試験予備試験117174%A
2司法書士119255.10%A
3社会保険労務士373067.90%A
4国家公務員総合職(大卒程度)教養区分除く127999.50%A
5一級建築士379079.90%SS
6マンション管理士125209.90%A
7行政書士4787011.20%A
8第三種電気主任技術者3776511.50%B
9ファイナンシャル・プランニング技能検…2336614.10%A
10宅地建物取引士20425016.80%A
11介護支援専門員(ケアマネジャー)4641517.70%SS
12税理士2729918.80%SS
13非破壊試験技術者資格試験1018419.10%B
14管理業務主任者1653819.40%A
15情報処理安全確保支援士1159719.40%A
16商業経済検定6789921.60%C
17自衛官 一般曹候補生(陸・海・空)2984822.60%B
18自衛官候補生(陸・海・空)2890323.10%B
19応用情報技術者2902423.50%B
20二級建築士2351323.60%S
21国家公務員一般職(高卒者)1297024%B
22保育士4491424.20%C
23公害防止管理者2000826%B
24国家公務員一般職(大卒程度)2731727.60%B
25社会福祉士3528729.30%S
26中小企業診断士1866231.30%A
27賃貸不動産経営管理士3245931.50%B
28国税専門官1316331.90%A
29貸金業務取扱主任者1049132.20%B
30全商ビジネス文書実務検定13244933.70%B
311級管工事施工管理技士1353135%A
32ファイナンシャル・プランニング技能検…21868835.70%C
33工事担任者1879335.80%B
341級建築施工管理技士2227736%A
35運行管理者7220536.60%B
36消防設備士1654537.20%B
37危険物取扱者20087638.60%C
38建設業経理検定1808440.20%C
39登録販売者5295941.50%C
40国内旅行業務取扱管理者1056942.60%C
41日商簿記検定15815542.80%C
42給水装置工事主任技術者1123843.50%B
43技術士・技術士補1459443.70%A
44衛生管理者4315743.80%C
45日本語検定(語検)1989944.40%C
46高等学校卒業程度認定試験1665446.10%C
47福祉住環境コーディネーター検定試験1077846.80%C
48基本情報技術者5299348.10%B
49CFA2621248.90%A
502級建築施工管理技士3212849%A
51日本漢字能力検定(漢検)34888749.40%C
52日本語能力試験37002851.40%C
53証券アナリスト CMA1771152.60%A
541級電気工事施工管理技士1500153.30%A
55第一種電気工事士4024453.50%A
56品質管理検定(QC検定)2443553.70%C
57実用英語技能検定(英検)68827254.60%C
58機械加工技能士1507955.80%C
59秘書検定6711156.40%C
60ボイラー技士1609858.40%C
61公認心理師2105558.60%S
62ITパスポート13178858.80%C
63珠算能力検定(日本商工会議所)2822358.80%C
64ニュース時事能力検定(N検)2155459.10%C
65第二種電気工事士15655359.20%B
661級土木施工管理技士3772660.60%A
67外務員資格試験(一種・二種)3673060.70%B
682級管工事施工管理技士1234862.20%B
69メンタルヘルス・マネジメント検定試験2102962.40%C
70G検定(ジェネラリスト検定)2091163.20%B
71クレーン・デリック運転士1576063.40%B
72硬筆書写技能検定3726363.70%C
73管理栄養士1601964.20%S
74サービス接遇検定1654164.50%C
75日本農業技術検定1879066%C
76実用数学技能検定7820266.60%C
77薬剤師1403168.70%SS
78調理師2109670.20%C
79キャリアコンサルタント試験1017670.80%C
80介護福祉士8448371%S
81韓国語能力試験(TOPIK)16854371.20%C
822級土木施工管理技士4419371.80%B
83色彩検定2249876.30%C
84世界遺産検定1152277.40%C
85運転免許263140877.70%D
86理学療法士1194679%S
87eco検定(環境社会検定試験)1477079.10%C
88医療事務技能審査試験(メディカルクラ…1885379.40%C
89美容師2296080.60%S
90自動車整備士3573281.20%B
91日商PC検定試験1933182.40%C
92愛玩動物飼養管理士1035584%C
93コンピュータサービス技能評価試験(CS…3288186.60%C
94看護師6612490.40%S
95ネイリスト技能検定試験1909391.20%C
96小型船舶操縦士2523695.80%D
97准看護師1519899%S
資格難易度一覧

平均年齢

平均年齢は、先に述べた通り40歳程度と言われています。

社会保険労務士(社労士)

社会保険労務士(社労士)は社会保険や労働関連のエキスパートであり、書類の作成や手続き代行などを行います。これらは社労士の独占業務(資格をもった人だけが行える業務)です。

社労士試験の合格率は7.90%であり、難易度が高い資格と言えます。

試験を受けるためには、受験資格を満たす必要があります。大学卒業などの要件がありますので、これらを満たしていない場合は受験資格をクリアすることろから始めることになります。

試験科目は8科目と範囲が広く、細かな知識を問われるのが特徴です。この試験は記憶力が鍵と言われており、法令などを暗記することが苦ではない方が向いていると言えます。そのため、暗記が得意な方は中小企業診断士よりも勉強が楽に感じるでしょう。なお、総務などで実務経験がある方は内容が理解しやすく、有利であると言えます。

解答方法はすべてマークシート方式であり、記述試験の対策は不要です。忙しい社会人の方でも、通勤時間などの隙間時間で問題集を解くことができます。また、受験が1日で完了するため、予定が調整し易いのも特徴です。

司法書士

司法書士は、行政機関に法的な書類を提出したり、法律相談を受ける仕事です。登記や裁判所へ提出する書類の作成は、司法書士の独占業務となります。

司法書士試験の合格率は5.10%であり、非常に難関な資格であることがわかります。この試験は受験資格が無いのが特徴です。そのため、受験資格を気にすることなく、すぐに学習に取り掛かることができます。

筆記試験と口述試験がありますが、口述試験は筆記試験合格者であれば十分に合格できるといわれているので、記述試験対策をメインに行うことになります。

筆記試験は択一式(マークシート問題)と記述式に分かれています。科目数が多いことから一度の学習で習得することが難しく、繰り返し勉強して記憶を定着させる必要があります。

なお、司法書士試験には科目合格制度がありません。中小企業診断士は科目合格制度がある分、一度に学習する量を分散することが可能であるため、特に社会人の方は学習しやすいと言えるでしょう。

行政書士

行政書士は、官公署へ提出する書類や法的書類を作成するエキスパートです。行政書士だけに許される独占業務があります。

行政書士試験の合格率は11.20%であり、難関な資格であることがわかります。

この試験は受験資格がなく、誰でも受験可能です。筆記試験のみで、選択式問題と記述式問題にわかれています。選択式問題が中心ですが記述式問題の対策は不可欠であり、暗記だけでなく理解を伴った学習が必須となっています。過去問に関連した出題が多いことから、過去問の対策をしっかりと行えるかどうかが鍵です。

中小企業診断士試験と比較した場合、行政書士試験は法律に関する問題が多数出題されます。法律の条文や判例を覚えるのが得意な場合は、行政書士試験に向いていると言えるでしょう。

弁理士

弁理士は特許や商標など知的財産のエキスパートです。知的財産に関する権利の申請は、弁理士の独占業務となります。

弁理士試験の合格率は6.1%であり、難易度が高い資格であることがわかります。

弁理士試験に受験資格はありません。筆記試験と口述試験があり、筆記試験は短答式(マークシート問題)と論述式(記述式問題)となっています。

公務員や特許事務所に勤務している人の合格率が高いのが特徴であり、仕事で資格を必要としている人が受かりやすい傾向にあるようです。

中小企業診断士試験と比較した場合、弁理士試験は理系的要素と法学的要素が求められることから、これらの学部出身者はより弁理士試験の学習がしやすいと言えるでしょう。

弁護士・司法試験

弁護士とは、法律のエキスパートとして人々の権利を守る職業です。

司法試験の受験資格はとてもハードルが高く、法科大学院を修了するか司法試験予備試験に合格することが必要です。司法試験予備試験の合格率は4%であり、受験資格を得るだけでも大変な労力を要することがわかります。

司法試験の合格率は41.5%です。試験方法は筆記試験で、短答式(マークシート問題)と論文式(記述式問題)で構成されます。論文式の問題では論理性が問われるため、論理的思考ができる人が向いていると言えます。

また、司法試験の勉強時間は、少なくても3,000時間と言われ、多いと10,000時間を超えます。中小企業診断士試験に必要な勉強時間は約1,000時間ですので、勉強時間が確保できる方や地道な努力を継続できる方が向いていると言えるでしょう。

公認会計士

公認会計士とは、独占業務である監査がメインの仕事となります。

公認会計士試験の合格率は9.6%であり、最難関資格の一つと言えます。受験資格は必要ありませんので、文系でも理系でも受験することができます。合格者は経済学部や商学部出身者が多く、講義で簿記などを学習した方は資格の勉強に取り組みやすいと言えるでしょう。

試験は筆記試験のみで、短答式(マークシート問題)と論文式(記述式問題)があります。学習時間は最低でも3,000時間といわれており、まとまった勉強時間の確保が必要です。

中小企業診断士試験と比較すると、公認会計士試験は会計の専門知識が必要となります。そのため、会計が得意で興味がある方は向いていると言えるでしょう。

税理士

税理士は税務の専門家です。税理士には独占業務があり、税務の代行・税務書類の作成・税務相談は資格がなければおこなうことができません。

試験の合格率は18.80%であり、難易度が高い資格であるといえます。この試験は受験資格が必要であり、大学で会計学などを履修する必要がありますが、令和5年度からは受験資格の制限が一部緩和されます。

税理士試験は、合計5科目に合格する必要があります。しかし、5科目同時に合格する必要はなく1年に1科目ずつでも良いため、社会人にとっては比較的チャレンジしやすい資格と言えます。

試験内容は筆記試験のみで、記述式の問題です。中小企業診断士試験と比べると、法律の条文を暗記することが苦でない場合や簿記が得意な方は、税理士試験に向いていると言えるでしょう。

勉強時間は一般的に4,000時間と言われており、まとまった学習時間の確保が必要です。

不動産鑑定士

不動産鑑定士とは、土地・建物(不動産)の鑑定をおこなう専門家です。これは不動産鑑定士にのみ認められている独占業務です。

不動産鑑定士試験の合格率は16.7%であり、難易度が高い資格です。受験資格はなく、筆記試験のみで短答式(マークシート問題)と論文式(記述問題)で構成されます。

勉強時間は少なくとも2,000時間程度と言われており、まとまった学習時間の確保が必要となります。

中小企業診断士試験と比較すると、不動産に関する実務経験がある方は実務を勉強に活かすことができるため、よりこの試験に向いていると言えるでしょう。

気象予報士

気象予報士は、独自に予報をおこなう場合に必要な資格です。


出典:気象庁HP
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/minkan/q_a_m.html

気象予報士試験の合格率は4.9%であり、難関な資格であることがわかります。受験資格は必要なく、学科試験(マークシート問題)と実技試験(記述問題)がおこなわれます。

勉強時間は少なくとも800時間程度と言われています。他の国家資格と比較すると少ない感じるかもしれませんが、実技試験は特に難易度が高く、簡単に取得できる試験ではありません。

中小企業診断士試験と比較すると、化学や物理が得意な方はより気象予報士試験に向いていると言えるでしょう。

その他中小企業診断士の関連資格

中小企業診断士に関連する資格としては、日商簿記検定2級、ITパスポート、ビジネス実務法務検定2級があげられます。これらの資格は中小企業診断士の学習に役立つため、中小企業診断士試験の前に取得する方もいます。いずれも中小企業診断士よりは難易度は低く、取得しやすい資格と言えます。

経営士

経営士は、日本経営士協会が主催する「民間資格」です。中小企業診断士と同様に、経営コンサルタントの資格であり、合格率は非公開となっています。

受験資格があり、大学卒業程度の学識や実務経験等が必要です。試験は、筆記試験や面接試験、経歴審査の総合評価で合否が決まります。

なお、養成講座を修了した場合は筆記試験が免除されます。試験の難易度は高いですが、この方法を利用して学習時間を短縮することができます。

中小企業診断士試験と比較すると、経営士試験は実務での経験や知識が重視されます。中小企業診断士とダブルライセンスで取得する方も多いです。

MBA(経営学修士号)

MBAとは、大学院で経営学を修了することで取得できる「学位」です。資格と混同されることがありますが、あくまで学位であり資格とは異なります。

昨今は、仕事をしながらでも修了できるようなプログラムが用意されている大学院が増えており、社会人にとっては間口が広がっているといえます。取得には通常2年かかりますが、1年で取得できる大学院も存在します。

MBAは、マネジメントや事業戦略など実務に直結する内容を学べることが特徴です。経営やビジネスについて学ぶという意味では、中小企業診断士と似ている面もあります。しかし、中小企業診断士は経営者に対してコンサルティング業務をおこなうことが業務の中心である一方で、MBAは自分自身が経営者として実務で成果をあげていくことを念頭に置いています。そのため、キャリアプランに応じて選択することが重要です。

 ITコーディネーター

ITコーディネーターは、ITと経営の知識を備えた、企業のIT化をサポートする専門家です。

ITコーディネーターは経済産業省が推進する資格で、NPO法人ITコーディネーター協会が主催する「民間資格」です。CBT方式(パソコンを使用する試験)の試験のため、全国の試験会場で希望日時に受験することができます。

合格率は65.7%であり、高い合格率となっています。ITコーディネーターになるには試験に合格し、研修を完了した後にITC資格の認定を受ける必要があります。

中小企業診断士が、IT化の専門家という付加価値をつけるために取得することが多いようです。

中小企業診断士の偏差値63で難易度はやや高め

中小企業診断士の難しさは大学に例えると?

中小企業診断士は偏差値でいうと63程度です。国家試験の難易度ランキングでは上位であるものの、最難関ではありません。その点で、国立大学で例えるなら名古屋大学や神戸大学、私立大学なら立教大学や中央大学と言えそうです。

中小企業診断士は最高のビジネス国家資格

中小企業診断士資格を取得するためには、経営や財務会計など幅広い学習が必要です。そのため、ビジネスパーソンにとっては必須の知識を、横断的に幅広く学ぶことができます。資格取得のための勉強過程で、経営全般の知識や経営課題解決策などを学ぶことで、本業の質を向上させることも可能です。

また、中小企業診断士は他業種の方と人脈を広げることができます。中小企業診断士は、公認会計士や税理士がダブルライセンスとして取得するケースも多いため、診断士のコミュニティが同時に異業種交流も兼ねるからです。

詳細については、こちらの記事もご覧ください。

そのため、中小企業診断士はビジネスパーソンにとって最高の国家資格と言えるでしょう。

中小企業診断士試験は独学でチャレンジできる難易度なのか?

中小企業診断士試験は難関試験の一つであり、独学はかなり難しいと言えます。しかし、実務と学習内容が関連している場合や、他の資格を取得していて基礎知識がある場合は、独学でも合格の可能性があると言えるでしょう。

昨今では通信講座の質が向上しており、予備校と比べると費用が安く抑えられることから、通信講座で学習する方も増えています。中小企業診断士試験は範囲が広くボリュームも膨大なので、効率よく勉強するためには通信講座を利用するのも一つの手です。

中小企業診断士は合格までに年数をかけるのは避けるべき

中小企業診断士は難関資格であるものの、公認会計士や税理士と比較すると短期間で合格できる資格です。実際に、先も述べた通り、1年以内で合格する方が27%と一番多くなっています。

しかし、この試験は範囲がとても広く、効率的な勉強をしなければ結果的に何年もかかってしまうことになります。そのため、要点をつかんだ学習が重要と言えるでしょう。

 中小企業診断士が難関資格と言われる2つの理由

1年に1回しか受験できない

中小企業診断士試験は1年に1回しか受験できません。そのため、仕事の繁忙期が試験のタイミングと重なったり、体調を壊したりするなど、万全の体制で試験に臨むことができないケースも多いと言います。その点がこの試験の難しさの一因となっています。

二次試験は記述式で正解が分からない

中小企業診断士の二次試験は、知識ではなく論理性が問われる記述式の試験です。知識を問われる試験であれば、明確な正解が存在します。しかし、この試験は論理的思考力を問う問題であるため、唯一の正解が存在せず、問題集や過去問を解いても自分の解答が正解どうかわからないことがあります。そのため、自習をしても解答の精度をあげることが難しく、このことが中小企業診断士試験が難しいと言われる理由の一つとなっています。

まとめ

以上、中小企業診断士の難易度について解説しました。

これまで述べてきた通り、中小企業診断士は難関資格です。しかし、ビジネスパーソンにとっては最高の国家資格であり、効率的な学習をおこなえば、社会人でも十分合格可能な試験です。

これから中小企業診断士の学習をしようか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。