独学で合格を目指す方必見!
【中小企業診断士のおすすめテキスト25選】

中小企業診断士がなくなる!?役に立たないとの噂も?実際のところを書いてみた

「中小企業診断士の資格を取っても役に立たないし、そのうちなくなるって言われているけど本当なの?」

「中小企業診断士の平均年収は? 今後の需要はどれくらいあるの?」

「中小企業診断士の試験内容は? 独学で合格できるの?」

上記のような疑問をお持ちではありませんか?

中小企業診断士は難関資格のため、資格取得に挑戦する前に疑問を解消されたいはずです。

そこで当記事では下記についてまとめました。

  • 中小企業診断士はどんな仕事か
  • 中小企業診断士の平均年収
  • 中小企業診断士が「なくなる」「役に立たない」と言われる理由
  • 中小企業診断士が使える資格である理由
  • 中小企業診断士試験の概要
  • 中小企業診断士試験に独学で合格するのが難しい理由

当記事をご覧になれば、中小企業診断士は、今後もなくなることのない、役に立つ資格であることが理解できるでしょう。

当記事は、30代~40代で、これから中小企業診断士を目指されている方に特におすすめの内容になっています。

ぜひ最後までご覧ください。

そもそも中小企業診断士とは?

中小企業診断士とは、中小企業の経営状況と、抱えていている課題を分析し、経営者に対して改善策や成長戦略についてのアドバイスをする経営コンサルタントのことです。

中小企業診断士は、日本で唯一の経営コンサルティングについての国家資格です。

中小企業診断士としての働き方には2種類あります。

  • 企業の従業員として、中小企業診断士の資格を活かしながら、自社の経営の診断と改善を行う
  • 独立開業して、クライアント企業の診断とコンサルティングを行う

また、中小企業診断士の主な仕事は下記の3つです。2.と3.は独立開業した中小企業診断士が行うことが多いです。

  1. 企業経営の診断と経営についての助言
  2. 例えば、どのようにITを経営に活用するか、事業継承といったテーマについて、会社の現状の診断と、 今後の経営についての助言を行います。
  3. 講演
  4. 自身の専門分野や、主催者からリクエストがあったテーマについての講演を行います。 講演者には知名度の高い中小企業診断士が選ばれ、講演に集まるのは主に経営者です。
  5. 執筆活動
  6. 専門分野についてのビジネス書を執筆している中小企業診断士もいます。 書籍を読んだ経営者が新しいクライアントになることもあります。

中小企業診断士として仕事をしていくためには以下のスキルが必要です。

  • 的確な経営診断を行うために、物事を俯瞰的かつ多面的な視点で見れる能力
  • 高いコミュニケーション能力
  • 新しい知識・スキルを常に得て、積極的に仕事に取り組む姿勢

中小企業診断士はなくなるのか?

せっかく中小企業診断士の資格を取得しても、「資格だけでは食べていけない」現実があることから、一部では中小企業診断士はなくなると言われることがあります。

しかし、結論を言うと、

【結論】中小企業診断士はなくならない!

中小企業診断士がなくならない主な理由として下記があります。

  • 社会人としてのスキルアップに役立つ
  • AIに取って代わられない
  • 政界・経済界からも欲されている
  • 現役の中小企業診断士も需要の安定成長を見込んでいる

それぞれの項目については、これから詳しく解説いたします。

中小企業診断士の平均年収は?

一般社団法人 中小企業診断協会が、2021年5月に発表したアンケート結果では、年収「500〜800万円」という回答が21.4%と最も多くなっています。次に多いのが、年収「1,000〜1,500万円」です。

一般的な社会人の平均年収が約430万円であることに対して、7割近くの中小企業診断士がより高い年収を得ていることがアンケートの結果から分かります。


選択肢

回答数

構成比(%)
1 .300万円以内8314.3
2 .301~400万円51 8.8
3 .401~500万円5810.0
4 .501~800万円12421.4
5 .801~1,000万円6611.4
6 .1,001~1,500万円8915.4
7 .1,501~2,000万円396.7
8 .2,001~2,500万円25 4.3
9 .2,501~3,000万円162.8
10.3,001万円以上28 4.8
合計579100.0





出典: 「中小企業診断士活動状況アンケート調査」結果について   
注)アンケートは、年間100日以上のコンサルティングている 中小企業診断士を対象に行われました。

「役に立たない」との噂も・・・

法律で中小企業診断士にしかできないと定められている仕事がないことと、資格にプラスして専門性と経験が求められることから、中小企業診断士の資格を持っていても役に立たないという意見があります。


中小企業診断士が「なくなる」 「役に立たない」と言われる理由について、次の項目で詳しくまとめていきます。

中小企業診断士が「なくなる」「役に立たない」と言われてしまう理由

中小企業診断士がなくなると言われる理由は主に3つあります。

  • 独占業務ではない
  • 資格のみでは仕事につながらない
  • 就職などで役立つシーンが少ない

それぞれについて解説していきます。

①独占業務ではない

独占業務とは、その資格を持つ人のみが、その仕事に携われることを、法律で定められている仕事のことです。例えば、公認会計士、弁護士、気象予報士の資格は独占業務とされているため、資格を持たない人は従事できません。

一方で、中小企業診断士は業務独占資格を持っていません。

業務独占資格がある仕事のような希少価値を持たないことから、中小企業診断士になるだけでは十分な仕事量と収入を確保するのが難しいため、中小企業診断士は「役に立たない」「なくなる」と言われることが多くなっているのです。

しかし、実際には、国や自治体で実施する企業の経営診断や相談業務は、ほぼ独占的に中小企業診断士に依頼されています。


法律的な独占業務資格を持っていないという理由だけで、中小企業診断士がなくなると判断するのは早計です。

②資格のみでは仕事がない

中小企業診断士として仕事をするためには、資格だけでなく、自分の強みとなる専門分野を持つことが必要です。中小企業診断士の資格を、自分の専門分野に対して活かせることが、企業にとっての価値になります。

例えば、営業のノウハウと経験があれば、営業やマーケティングについてのコンサルティングを行えます。また、人事業務について詳しければ、経営者に人材活用についてのアドバイスをすることが可能です。

従って、「資格のみでは仕事につながらないから、中小企業診断士はなくなる」ということにはなりません。中小企業診断士の資格にプラスして、どのような価値を提供できるかが大切なのです。

③就職などで役立つシーンは多くない

30代、40代ともなると、中小企業診断士の資格を持っているだけでは、転職や独立開業を成功させられる可能性は低いと言わざるを得ません。

20代であれば、 資格とポテンシャルで採用される可能性はありますが、30代、 特に40代であれば、持っている資格を活かすことができる人物であるかが重視されます。資格があっても、経験がなければキャリアアップは難しいというのが現実です。

中小企業診断士が使える資格である理由とは?

独自の専門分野を持つことや、経験を積むことはもちろん大切ですが、中小企業診断士の資格を取得することには、以下のメリットがあります

  1. 公的業務を受注できる。コロナで需要も大きい
  2. 独立開業も可能
  3. 社会人として、確実にスキルアップにつながる資格

それぞれについて見ていきましょう。

公的業務を受注できる。コロナで需要も大きい

中小企業診断士は、民間業務だけでなく、公的業務も受注できます。

公的業務とは、国や地方自治体の行政機関、各都道府県の中小企業支援センター、商工会や商工会議所などから委託される業務のことです。

一般社団法人 中小企業診断協会が、2023年5月に報告した、「中小企業診断士活動状況アンケート調査」の結果によると、公的業務が売り上げに占める割合が「かなり高い」という回答が28.1%、「やや高い」という回答が8.9%になっています

選択肢回答数構成比(%)
1 .公的業務がかなり高い34228.1
2 .公的業務がやや高い1088.9
3 .半々程度1159.4
4 .民間業務がやや高い101 8.3
5 .民間業務がかなり高い52142.7
6 .わからない322.6
回答数計1,219100.0
出典: 「中小企業診断士活動状況アンケート調査」結果について

また、最近では、コロナにより経営に影響を受けた中小企業に対する、行政による経営相談・支援金・補助金の申請・設備投資といった公的業務に、中小企業診断士が求められることが多くなっています。

独立開業も可能

中小企業診断士は、特定の企業の診断士として働くだけでなく、独立開業するという道もあります。

独立開業をすることで、公的業務、民間業務、企業研修といった幅広い仕事を受注でき、自分の裁量で働けるようになれるのです。独立に成功した中小企業診断士の中には、会社員の頃よりも高い収入を得ている人もいます。

また、中小企業診断士として独立するために、自分の事務所を持ったり、特定の団体に登録費用を払ったりする必要はありません。パソコンなどの最低限の設備があれば、自宅で仕事ができるため、初期費用はそれほどかかりません。

社会人として、確実にスキルアップにつながる資格

中小企業診断士になることにより、組織の経営状態を多面的に分析する能力を身につけられます。組織が抱える問題の解決、経営資源(人・モノ・資産・知的財産・時間・情報)の活用、経営戦略の立案に役立つ横断的な知識を持っている中小企業診断士は、企業にとって魅力のある人材です。

また、中小企業診断士には、人脈を増やす機会が豊富にあります。資格の勉強中や、講演・研究会の参加時に、様々な分野で活躍する人たちと交流することで、ビジネスネットワークを広げられるのです。

中小企業診断士の資格を取得し、社内外からの評価を上げることで、昇給・昇格や、資格手当の支給、希望する部署への転属を実現できる可能性が高くなります。資格と経験を活かして転職を実現させるチャンスもあるでしょう。

中小企業診断士がなくならない理由

中小企業診断士には、政界、経済からも注目が集まっており、今後も高い需要が見込まれています。ここでは、中小企業診断士がなくならない理由について解説いたします。

  • 実務に役立つから
  • 人気・需要がともにあるから
  • AIに取って代わられる可能性が非常に低い職種だから
  • 政界・経済界からも欲されているから

①実務に役立つから

中小企業診断士の資格取得は、社会人としてのスキルアップに役立ちます。

一般社団法人 中小企業診断協会が、2023年5月に報告した、「中小企業診断士活動状況アンケート調査」によると、中小企業診断士資格の取得理由の61.7%が「経営全般の勉強等,自己啓発やスキルアップを図ることができるから」という調査結果になっています。

中小企業診断士資格取得の動機についてのアンケート結果

選択肢回答数構成比(%)
中小企業の経営診断・支援に従事したいと思ったから92448.9
経営コンサルタントとして独立したいと思ったから 62833.3
経営コンサルタントとしての信用を高めるため1799.5
資格を持っていると優遇されるから1296.8
業務遂行上,資格を活用できるから 49726.3
経営全般の勉強等,自己啓発やスキルアップを図ることができるから1,16461.7
定年後に資格を活用したいと思ったから59531.5
転職等,就職の際に有利だから1759.3
その他442.3
n=1,888
出典: 「中小企業診断士活動状況アンケート調査」結果について

中小企業診断士になるための勉強をしていく過程で、企業経営について学べるだけでなく、問題解決に必要な思考力を大きく伸ばすことができます。知識だけでなく、実務に対する論理的かつ体系的な考え方まで身につけることができるのです。

企業経営の全体像を見た上で、経営を診断し、問題解決や成長戦略を立案できる能力は、仕事をする上での大きな武器になります。

経営やコンサルティングに携わる職種を希望されている方や、起業を考えられている方にとって、中小企業診断士は最適な資格であると言えます。

②人気・需要がともにあるから

中小企業診断士の資格は、日経新聞が2016年に発表した、社会人向け「新たに取得したい資格(語学検定含む)」で第1位になりました。その後も就職・転職に役立つ資格として高い人気を保っています。

一般社団法人 中小企業診断協会が発表している「中小企業診断士試験 申込者数・合格率等の推移」によると、近年では、毎年約2万人が中小企業診断士試験を受験しています。

また、中小企業診断協会の調査によると、中小企業診断士の61%が、今後のコンサルティング需要について伸びると回答し、28.8%は変わらないと回答しました。約90%が今後の安定成長を見込んでいるということになります。

今後の中小企業診断士のコンサルティング需要予測

選択肢回答数構成比(%)
1 .伸びると思う59832.0
2 .徐々に伸びると思う54229.0
3 .変わらないと思う53828.8
4 .徐々に減少すると思う1447.7
5 .減少すると思う44 2.4
回答数計1,866100.0
出典: 「中小企業診断士活動状況アンケート調査」結果について

また、同アンケート結果によると、今後需要が伸びることが予想される分野は下記の通りです。

  • 事業承継・M&A
  • 情報化・IT 化
  • 事業再生
  • 医療・福祉・介護

AIも変わることができないコンサルティングだから

オックスフォード大学と野村総合研究所が、2015年に行なった共同提言で、日本の労働人口の49%はAIやロボットによる代替が可能であるという予測結果を発表しました。

最難関国家資格と言われる8士業がAIに代替される可能性については、6士業が高い確率を示していることに対して、中小企業診断士は0.2%という極めて低い数値になっています。

士業の種類代替可能性
行政書士93.1%
税理士92.5%
弁理士92.1%
公認会計士85.9%
社会保険労務士79.7%
司法書士78.0%
弁護士1.4%
中小企業診断士0.2%
出典:経済界ウェブ

中小企業診断士がAIに取って代わられない理由として下記があります。

  • AIは取引相手の気持ちを察したり、説得したりするためのコミュニケーション能力が低い
  • 人間の方がAIより臨機応変な経営戦略や解決策を提案できる

④政界・経済界からも欲されているから

中小企業診断士は、政界・経済界からも需要があります。

政界での情報

経済産業省のホームページによると、2019年4月1日の段階で、約27,000人の中小企業診断士が登録されています。統計は5年間の更新制です。一方で、独立行政法人 中小企業基盤整備機構が発表している、全国の中小企業数は、3,578,176社になっています。

日本企業全体の99.7%を占める中小企業の数に対して、中小企業診断士の数が大きく不足しているというのが現状です。

国としても、下記の課題に対応するために、より多くの中小企業診断士を必要としています。

  • コロナ禍で経営が厳しい中小企業が多く、公的支援を行うための企業と行政の仲介役が必要
  • 地方で中小企業診断士の数が不足している

経済界での情報

経済界からも、より多くの中小企業診断士が必要だという声が上がっています。

サントリーホールディングス株式会社の代表取締役社長である新浪剛史氏が、2020年10月6日に行われた経済財政諮問会議で、中小企業診断士を増やすために資格取得条件を緩和するべきという趣旨の提言をしました。

例えば、中小企業診断士について、非常に意味のある資格だと思うが、中小企業診断士は1次試験では7科目全てに合格しないと試験に通過できないなど、大変難易度が高いものとなっている。中堅・中小企業の経営を担うことのできる人材の裾野を広げていくためにも、例えば、中小企業診断士の科目にデジタル入れるとともに、全ての科目を合格しなくとも、税理士のように一つ一つの科目で合格しても何らかの位置付けを付与することを考えてみてはどうか」

出典:令和2年度 第14回経済諮問会議記事要旨

提言の背景には、今後の日本経済をリードできるビジネスリーダーの不足があります。

新浪氏は、より多くの人に中小企業診断士の資格を取得してもらうことで、経営のプロフェッショナルを増やそうと考えているようです。

中小企業診断士への需要の増加への対応と、資格取得の推奨のために、中小企業庁は、2020年4月より中小企業診断士の第1次試験合格を資格として認めるようになりました。

第1次試験合格に資格としての名称を与えることで、より多くの人に受験してもらうためです。

経済学・経済政策、 財務・会計、 企業経営理論、 運営管理(オペレーション・マネジメント)、 経営法務、 経営情報システム、 中小企業経営・中小企業政策、 これらの科目は、企業経営等に関する基本的分野を網羅しており、受験者に対して経済・経営分野を中心に多岐にわたる分野において知識を有することを求めております。 中小企業庁としましては、上記7つの科目の一部でも科目合格することは、その当該科目の知識を修得していると評価されるべきと考えております。 そのため、今後、履歴書の資格欄などに記載する場合には、第一次試験合格者(科目合格者含む)の方は、下記のように記載下さい ただし、記載する場合は、当該試験合格の有効期間内のみが適用となりますので、ご注意ください。 記載例: 第一次試験一部科目合格者:▲▲年度中小企業支援科目合格者(科目名) 第一次試験全科目合格者 :■■年度中小企業診断修得者”

出典:中小企業庁 中小企業診断士 第一次試験合格者(科目合格者含む)の皆さまへ

中小企業庁の試験制度については次項で詳しく解説いたします。

中小企業診断士は、政界と経済界から強く必要とされているため、なくなることは考えられません。

中小企業診断士の試験について

ここでは、中小企業診断士試験の試験概要、難易度、合格率、必要な勉強時間について解説をいたします。

中小企業診断士の試験概要

中小企業診断士の試験は年に1度行われ、第1次試験と、第2次試験(筆記式、口述式)の2部に分かれています。第2部試験に進むためには、第1次試験に合格していることが必須です。

特別な受験資格はないため、どなたでも受験可能です。

例年の試験スケジュールは下記になります。

  8月:第1部試験

10月:第2次試験(筆記式)

12月:第2次試験(口述式)

第1次試験概要

  • 試験形式:択一式試験(マークシート方式)
  • 受験料 :14,500円
日程試験科目配点試験時間
1日目(土曜日)
A:経済学・経済政策100点9:50 ~ 10:50 (60分)
B:財務・会計100点11:30 ~ 12:30 (60分)
C:企業経営理論100点13:30 ~ 15:00 (90分)
D:運営管理
( オペレーション・マネジメント )
100点15:40 ~ 17:10 (90分)
2日目(日曜日)
E経営法務100点9:50~10:50(60分)
F経営情報システム100点11:30~12:30(60分)

・合格基準

  1. 全7科目の総得点が、満点の60%以上であること
  2. 40点未満の科目が1つでもあると不合格

・科目免除について

第1次試験には科目免除制度があります。

  1. 科目合格による免除
  2. 第1次試験は、1度に7科目の試験全てに合格する必要はありません。 3年間で全科目に合格すれば、第2次試験の受験資格を得ることができます。 1度合格した科目は、次回の1次試験では免除されます。
  3. 資格や条件による免除
  4. 特定の資格を持っている、または、条件を満たしていることで試験が免除になる科目があります。 免除対象になる試験科目、対象者、必要な証明書類については、下記の表をご参照ください。
免除申請できる試験科目他資格等保有による科目免除対象者証明書類の例
注)複数ある場合は1つで良い
経済学・ 経済政策大学等の経済学の教授、准教授・旧助教授(通算3年以上)在職証明書(期間記載のこと)
経済学博士経済学博士の証明書
公認会計士試験または旧公認会計士試験第2次試験において経済学を受験して合格した者経済学を受験して合格したことが分かる合格証明書
不動産鑑定士、不動産鑑定士試験合格者、不動産鑑定士補、旧不動産鑑定士試験第2次試験合格者登録証明書・登録通知書
不動産鑑定士試験合格証書
財務・会計公認会計士、公認会計士試験合格者、会計士補、会計士補となる有資格者登録証明書
公認会計士試験合格証書
旧公認会計士試験第2次試験
合格証明書
税理士、税理士法第3条第1項第1号に規定する者(税理士試験合格者)、税理士法第3条第1項第2号に規定する者(税理士試験免除者)、税理士法第3条第1項第3号に規定する者(弁護士または弁護士となる資格を有する者)登録証明書
税理士証票
税理士試験合格証書
試験免除決定通知
弁護士名簿登録通知
所属弁護士会発行の身分証明書
(有効期間内のものに限る)
司法試験合格証書と司法修習終了書
経営法務弁護士、司法試験合格者、
旧司法試験第2次試験合格者
所属弁護士会発行の身分証明書
(有効期間内のものに限る)
司法試験合格証書
経営情報システム技術士(情報工学部門登録者に限る)、情報工学部門に係る技術士となる資格を有する者技術士登録証
技術士試験合格証書
次の区分の情報処理技術者試験合格者
(ITストラテジスト、システムアーキテクト、応用情報
情報処理技術者試験合格証書
情報処理技術者試験合格証明書
出典:中小企業診断協会 中小企業診断士第1次試験他資格等保有による科目免除

・第1次試験合格の有効期限

2次試験:合格した年と、翌年は受験できる

1次試験:合格した年の翌年と、翌々年までは合格科目の免除を申請できる

第2次試験概要

第1次試験に合格すると、第2次試験の筆記試験に進みます。

筆記試験概要

試験科目配点試験時間
A:中小企業の診断及び助言に関する実務の事例 I100点9:40〜11:00 (80分)
B:中小企業の診断及び助言に関する実務の事例 II100点11:40 ~ 13:00(80分)
C:中小企業の診断及び助言に関する実務の事例 III100点14:00 ~ 15:20(80分)
D:中小企業の診断及び助言に関する実務の事例 IV100点16:00 ~ 17:20(80分)

第2次試験の口述試験は、10分間の面接形式になっていて、筆記試験科目の4つの事例からランダムで出題されます。

合格基準は下記の通りです。

  • 筆記試験は、総得点の60%以上で、40点未満の科目が1つもないこと
  • 口述試験は、60%以上の評定を得ること

第2次試験(筆記試験と口述試験)の受験料は17,800円です。

中小企業診断士の難易度

中小企業診断士試験の難易度は高いです。偏差値に例えると、約60〜65になると言われています。実際の合格率と、合格に必要な勉強時間について見ていきましょう。

中小企業診断士の合格率は?

中小企業診断士試験の合格率は約4%です。

下記は、第1次試験と、第2次試験合格率の近年の推移になります。

第1次試験の合格率は、直近では上昇していますが、おおむね20%ほどになっています。

第2次試験合格率は約20%前後です。

年度第1次試験合格率第2次試験合格率試験合格率
平成24年度23.5%25.0%5.9%
平成25年度 21.7%18.5%4.0%
平成26年度23.2%24.3%5.6%
平成27年度26.0%19.1%5.0%
平成28年度17.7%19.2%3.4%
平成29年度21.7%19.4%4.2%
平成30年度23.5%18.8%4.4%
令和元年度30.2%18.3%5.5%
令和 2年度42.5%18.4%7.8%
令和 3年度36.4%18.3%6.7%
出典:中小企業診断協会 中小企業診断士試験 申込者数・合格率等の推移

中小企業診断士は独学で勉強可能?

独学で中小企業診断士に合格することは可能ですが、難易度が高いため、専門の講座を受けた方が確実です。

独学での合格が難しい理由として、

  • 一人で学習スケジュールを立てるのが難しい
  • 教材選びが難しい

それぞれについて解説いたします。

一人で学習スケジュールを立てるのは難しい

中小企業診断士の試験は、第1次と第2次試験を合わせると11科目あり、勉強範囲が広いです。

勉強時間も1,000時間は必要になるため、学習スケジュールを立てるのが難しいです。また、必ずしもスケジュール通りに学習を進められない可能性もあります。

また、第1次試験を科目合格、または、全科目合格できても、その後の学習のペースが悪いと2次試験合格までたどり着けないことがあります。最悪の場合は、再受験や挫折につながってしまうため、一人で学習スケジュールを立てることにはリスクがあると言わざるを得ません。

②教材選びが難しい

中小企業診断士を独学で受験する場合、どの教材で学習すれば良いか迷ったり、参考書に費用をかけ過ぎたりする可能性があります。

中小企業診断士の教材は、制度変更や法改正がある度に改定されます。もし学習中に法改正があった場合、最新の教材を購入するか、自分で調べることが必要です。

体系的な学習ができ、最新情報を常にアップデートしてくれる講座を受講することで、合格率を上げられるだけでなく、お金と時間を効率よく使うことができます。

まとめ

ここまで、中小企業診断士がなくならず、今後も重要な資格であり続ける理由について解説してきました。

  • 社会人としてのスキルアップ、キャリアアップにつながる
  • 実務に役立つ
  • 今後も需要の安定成長が見込まれている
  • 政界・経済界からより多くの中小企業診断士が求められている
  • コンサルティングの仕事はAIでは代替が利かない

以上のことから、中小企業診断士の資格には取得するだけの価値が十分あると言えます。